ソーシャルレンディングで得た配当金にかかる税金

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新しい投資手法に「ソーシャルレンディング」があります。
ソーシャルレンディングは、事業者が「お金を借りたい企業等」と「お金を増やしたい利用者」をマッチングさせるシステムになっています。
つまり、事業者が投資家から集まった資金を、まとめて借り手の企業に貸付けます。

投資とはいっても株式やFXへの投資とは違い、「利益」を得ることを目的にしているのではなく、投資金に対する「配当」が目的になっています。従って、税金の納付方法が株式やFXとは異なります。

配当金に対する源泉徴収

株式やFXで得た利益に対する所得税の税率は、20.315%(所得税15%+住民税5%+復興特別所得税0.315%) になっています。
一方、ソーシャルレンディングの場合は、20.42%(所得税15%+住民税5%+復興特別所得税0.42%) と、復興特別所得税の税率が異なります。

そして、配当金に課される税金は事業者が源泉徴収し、残額を投資家に分配します。従って、投資家は税金を納める必要がありません。
ただし、事業者が源泉徴収する20.42%の税金は、あくまでも目安として前払いされているに過ぎません。つまり、実際に納めるべき税金は年度が終了した時点で、他の全ての所得を見なければ分からないということです。

確定申告が必要

20.42%の税率は最終的な年間の所得総額が確定した段階で、初めて適正であるかどうかが判明します。
所得総額次第では、20.42%より税率が低くなる場合があれば、高くなる場合もあります。税率が低くなる場合は税金を納め過ぎたことになり、高くなる場合は未納分の税金が発生します。それを修正するのが確定申告です。

サラリーマンが給与以外の所得としてソーシャルレンディングの配当金があった場合は確定申告を行い、納め過ぎた分は還付を受け、不足分は追加納付をします。

なお、配当金の年間所得が20万円以下であれば、確定申告の必要はありません。
また、アフィリエイトなど、ソーシャルレンディング以外の所得があった場合も、合算して20万円以下であれば申告は不要です。ただし、20万円を超える場合は申告しなければなりません。

配当金は総合課税

ソーシャルレンディングの配当金は雑所得であり、総合課税で税額が算出されます。
所得には雑所得を加えて10種類があります。
他の9種類の所得に含まれないものが雑所得となり、雑所得としてはその他、公的年金や印税、講演料、仮想通貨取引などがあります。

従って、ソーシャルレンディングの配当金は給与所得など、10種類の所得を合計した金額に基づいて税率が算出されます。ただし、以下の所得は申告分離課税のため、総合課税の計算から除外されます。
雑所得の中のFXや先物取引、不動産の譲渡所得、株式の譲渡所得、退職所得、山林所得

課税所得額ごとの所得税の税率は以下になっています。

・195万円以下:5%
・195万円超330万円以下:10%
・330万円超695万円以下:20%
・695万円超900万円以下:23%
・900万円超1,800万円以下:33%
・1,800万円超4,000万円以下:40%
・4,000万円超:45%

例えば、所得が給与所得だけのサラリーマンが、ソーシャルレンディングで年間30万円の配当金があった場合、確定申告によって税金の過不足は以下になります。

・課税所得330万円以下:還付金を受取れます。
・課税所得695万円超:不足金を納付します。